考えすぎて始められないとき、いま見えていないものは何か|場の目的から考える

考えすぎて始められないとき、いま見えていないものは何か|場の目的から考える

初めての仕事や企画に取りかかる直前で、ひとつ気になることが残っています。
失敗しない手順を全部決めてから始めようとする。
反応したいわけではありません。
でも、そのまま動けば、いま見えている意味だけで現実を決めてしまうかもしれません。
ここで、いったん視座を動かします。

目次

判断が詰まるとき、どの前提を読んでいるか

このとき、失敗しない手順を全部決めてから始めようとする。
ここで強く働いている前提を言葉にすると、『始める前に、正しい方法を確定できる』になります。
この前提が常に間違っているわけではありません。
ただ、前提を前提だと気づかないまま使うと、別の選択肢が見えにくくなります。

たとえば、新しい企画書を作るとき、構成、数字、相手の反応まで先に完璧にしようとして、ファイルを開いたまま時間だけが過ぎることがあります。
実際には、最初の粗い一枚がないと見つからない問題もあります。

読む → 解く → 書き換えるを現実で使う

国語ルート|読む → 解く → 書き換える
国語ルートは、言葉から視座を育てる体系です。
正式な流れは、「読む → 解く → 書き換える」です。
まず、目の前の事実と、自分が加えた解釈を分けます。
次に、なぜそう受け取ったのか、前提を言葉にします。
最後に、事実を変えるのではなく、次に選ぶ判断を書き換えます。

目の前の現実にある違和感、ズレ、思い込み、前提を読みます。
「それ、本当?

「なぜ、そう思った?

と問いを立てます。
答えを急がず、まだ読めていない別の意味がないかを見ます。

定義。
場にナリキルとは、空気に合わせて自分を消すことではありません。
自分と相手だけでなく、その場の目的、関係、時間、役割、流れまで含めて全体を見ることです。

深く入り、高く見る。
自分がどう評価されるかだけを主語にすると、選択肢は狭くなります。
場全体を主語にすると、話す、聞く、待つ、問い直す、順番を変えるなど、同じ状況でも別の行動が見えてきます。

ナリキルは、対象へ深く入ることと、そこから離見の見で高く見ることを分けません。
深く入るから、相手や未来や場の内側が見えます。
同時に高く見るから、一つの立場へ固定されず、全体の関係まで戻れます。

社会人先生メソッド|すでに使っている力を見つける

日本の仕事や日常では、すでに『仮置きして相手へ見せ、反応を見ながら直す』という調整を無意識に使う場面があります。
社会人先生は、そこへ新しい特殊能力を足すのではありません。
すでに使っている力を見つけ、意識的に使い直し、自分メソッドとして育てます。

補助視点|場の目的
今回の補助視点は『場の目的』です。
自分と相手だけでなく、この場は何を前へ進めるためにあるのかを置き直します。
場の目的が主語になると、話す・聞く・待つ・確認するの選択肢が増えます。
初めての仕事や企画に取りかかる直前という具体的な場面へ戻し、抽象論だけで終わらせません。

もう一つ、『比較』も重ねます。
他人や理想との比較ではなく、同じ自分の前回と今回を比べます。
改善を競争ではなく観測に変えると、次に直す一点が具体化します。
全部を変えず、一か所だけ順番を変えて試します。
変えた場所が一つなら、結果が違ったときにも原因を読みやすくなります。
場にナリキルを固定的な正解にせず、自分の現実で確かめます。

現実の制約は、制約として残す

でも、見方を変えれば何でも解決するわけではありません。
期限、権限、安全、相手の明確な拒否、数字上の制約など、変えられない事実はあります。
場を見ることは同調圧力へ従うことではありません。
場の目的を読んだ結果として、あえて違う意見を出す必要があることもあります。
一つの方法だけで現実のすべてを説明しないことが大切です。

観測して、自分メソッドへ戻す

今日の一手。
完成版ではなく、15分で『たたき台1枚』をつくる。
一度に全部を変えません。
まず一つだけ現実で試します。
そのあと、『作って初めて見えた不足は何か、事前に考えていた不安のうち本当に起きたものは何か』を観測します。
合えば残し、合わなければ修正します。
次に似た現実へ出会ったとき、同じ答えを選ぶ必要はありません。

読む。
解く。
書き換える。

まず自分で現実を読み直します。
その結果を現実で確かめ、必要なら修正します。
借りた方法を、そのまま信じるのではなく、自分の現実で育てます。
何を残し、何を変えるかは、最後に自分で決めます。


社会人先生の全体像を読む
この記事で扱った一つの見方を、「現実を動かす技術」全体の中で読みたい方はこちらへ。
公式note|現実を動かす技術

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