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打ち合わせでは『分かりやすく直してください』と確かに伝えた。翌朝、返ってきた資料を見ると、整ってはいる。でも、自分が直してほしかった場所とは違う。
説明不足だったのか。それとも、同じ言葉を別の意味で使っていたのか。この違和感を、そのまま答えにせず、ボケ・ツッコミで読みます。
説明しても伝わらないのは、なぜか
説明不足は確かに原因の一つです。ただ、『分かりやすく』の意味を双方が同じだと思い込んでいれば、言葉を増やしてもズレの中心は残ります。相手は文字量を減らすこと、自分は結論を先に出すことを考えていたかもしれません。
まず、確認できる事実と、自分が加えている解釈を分けます。感情や直感を否定するためではありません。現実のどこまでが事実で、どこからが自分の読みなのかを確かめるためです。

説明しても伝わらないとき、ボケ・ツッコミで何を読むか
国語ルート|ボケ・ツッコミ(読む)|問題発見法
国語ルートは、言葉から視座を育てる体系です。正式な流れは、「読む → 解く → 書き換える」です。今回は、その中の「ボケ・ツッコミ|読む|問題発見法」に絞ります。
ボケ・ツッコミは、国語ルートの「読む」を担う問題発見法です。目の前の現実にある違和感、ズレ、思い込み、前提を読み、「それ、本当?」「なぜ、そう思った?」
と問いを立てます。社会人先生における「読む」は、正解を探すことではありません。「知っているつもり」を手放し、まだ見えていない違いを見つけ、問いを育てることです。
まず、目の前の現実にある違和感やズレを一つだけ拾います。そして、「それ、本当?」「なぜ、そう思った?」
と問いを立てます。答えを急がず、まだ読めていない別の意味がないかを見ます。
社会人先生メソッド|日本語を使ってきた私たちには、すでに読む力がある
日本語を使う日常では、言われていない主語や目的語を文脈から補い、複数の意味からその場に合う意味を選び、相手との関係によって表現を調整しています。
社会人先生は、そこへ新しい特殊能力を足すのではありません。
人を読む力、場を読む力、伝え方を変える力など、すでに使っている力を見つけ、意識的に使い直し、自分メソッドとして育てます。
何のための説明か明確にする
曖昧な言葉を一つ確認
相手がどう理解したか聞く
相手の前提を想像だけで決めつけない
でも、毎回相手の前提を丁寧に聞いていたら仕事が遅くなる、という問題もあります。だから長い面談は要りません。ズレやすい言葉だけを一つ確認します。
違和感を見つけることは、何でも疑うことではありません。確認できる事実を残しながら、自分が一つの意味世界へ固定されていないかを読みます。それでも、現実の見え方・理解・判断を増やすために使える範囲はあります。
一つの方法だけで現実のすべてを説明しないことが大切です。確認できる事実、相手の反応、身体・状態・環境など、まだ変えてはいけない条件は残します。

説明する前に置きたい一つの質問
依頼するとき、『完成したら、読む人が何をできる状態にしたいですか』を一問置きます。返ってきた成果物が違ったときも、訂正事項を並べる前に、相手が置いていたゴールを聞きます。一度に全部を変えません。
まず一つだけ現実で試します。そのあと、何が変わり、何が変わらなかったかを観測します。合えば残し、合わなければ修正します。
次に似た現実へ出会ったとき、同じ答えを選ぶ必要はありません。「目の前の事実と、自分が加えている解釈を分け、『それ、本当?』と一度問い直す」を使い、まず自分で現実を読み直します。
読む。解く。書き換える。
その結果を現実で確かめ、必要なら修正します。
現実を確かめたうえで、何を残し、何を変えるかは、最後に自分で決めます。
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