部下や同僚から相談を受ける場面で考えが堂々巡りするとき|読む→解く→書き換えるで出口をつくる|答えを急がない

部下や同僚から相談を受ける場面で考えが堂々巡りするとき|読む→解く→書き換えるで出口をつくる

仕事の判断で厄介なのは、選択肢が少ないときだけではありません。選択肢があるのに、物差しが決まらないときです。一つの仮想例を置きます。『最近、仕事がうまくいかなくて』と相談された瞬間に、頭の中では改善策が三つ浮かんだとします。親切のつもりで順番に伝えたのに、相手の表情はあまり変わらない。そんなすれ違いがあります。

先に一手だけ言うと、違和感→前提→別の問い→次の一手、の四つを一行ずつ書く。

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何を『当然』だと思っている?

解決策が間違っているとは限りません。ただ、相手が欲しいのが整理なのか、判断材料なのか、具体策なのかが分からないまま答えると、正しい助言でも届きません。 ここで一度、『実際に起きたこと』と『そこへ自分が足した意味』を分けます。答えを増やす前に、判断がどの前提から始まっているかを見るためです。

読む→解く→書き換えるが増やす選択肢

国語ルートの『読む→解く→書き換える』は、事実を書き換える方法ではありません。違和感やズレを読み、そのズレを生んだ前提を解き、前提を見直したときに選べる次の判断を書き換える流れです。 最初の反応をそのまま結論にすると、同じ状況で同じ判断を繰り返しやすくなります。まず何が起きたかを読み、なぜそう意味づけたかを解く。そこから別の問いが立てば、選べる行動も増えます。 理論を覚えることが目的ではありません。さきほどの具体場面へ戻ったとき、以前とは違う情報が一つ見え、そこから選べる行動が一つ増えることが重要です。

試したあと、何を見るか

答える前に『いま一番ほしいのは、整理・意見・具体策のどれに近い?』と聞きます。そこで初めて自分の知識を使います。相手にナリキルとは、答えを捨てるのではなく、答えを渡す位置を合わせることです。 最後に結果を一つだけ観測します。迷う時間が減ったのか、相手とのズレが減ったのか、次の一手が具体になったのか。気分の良さだけではなく、実際に選択肢が増えたか、確認する相手や情報が明確になったかを見ます。結果が変わらなければ、同じ方法を気合いで繰り返さず、最初に置いた問いを一段戻します。成功か失敗かの二択にせず、何が少し進み、どこでまだ止まったかを分けます。

反対側からも見ておく

でも、相談には時間が限られていることもあります。全部を聞き切るまで何も言えないわけではありません。最初の一問で方向を合わせれば十分なことがあります。 でも、『書き換える』は都合のよい物語へ逃げることではありません。変えないのは事実です。変える候補になるのは、事実へ足した意味と、その意味から自動的に選んでいた行動です。 それでも使えるのは、結論を決める技術としてではなく、自分が見落としている材料を短時間で増やす技術としてです。

社会人先生の全体像では、未来人・相手・場へナリキルことで視座を育て、そこで見えた一手を具体へ下ろし、現実の反応を観測してまた修正します。未来を思い込むのではなく、未来が起こり得る条件を現在に増やす、という位置づけです。

一度で正しい読み方へ到達する必要はありません。仮説として一つの見方を置き、動いた結果を観測し、違えば直す。その往復が思い込みと実践を分けます。

正解を借りるのではなく、判断する位置を借りる。その位置から一手を選び、現実へ返してみます。


社会人先生の全体像を読む

この記事で扱った一つの見方を、社会人先生の「現実を動かす技術」全体の中で読みたい方は、こちらへ。

https://note.com/kisha_koku/n/n3190b6bb805d

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