『最近、仕事がうまくいかなくて』。
そう相談された瞬間、頭の中には改善策が三つ浮かびます。
親切のつもりで順番に伝える。
ところが、話し終えても相手の表情はほとんど変わらない。
ここで、国語ルートの「ナナイ(解く)」へ進みます。
相談でアドバイスを急ぐと、なぜズレるのか
解決策が間違っているとは限りません。
ただ、相手が欲しいのが整理なのか、判断材料なのか、具体策なのかが分からないまま答えると、正しい助言でも届きません。
まず、確認できる事実と、自分が加えている解釈を分けます。
感情や直感を否定するためではありません。
現実のどこまでが事実で、どこからが自分の読みなのかを確かめるためです。
相談されるとアドバイスを急ぐとき、ナナイで何を解くか
国語ルート|ナナイ(解く)|問題解決法
国語ルートは、言葉から視座を育てる体系です。
正式な流れは、「読む → 解く → 書き換える」です。
今回は、その中の「ナナイ|解く|問題解決法」に絞ります。
ナナイは、国語ルートの「解く」を担う問題解決法です。
事実と解釈を分け、「何が起きたか」「なぜそう読んだか」「別の説明は成立するか」を解きます。
一つの意味世界へ固定されると、事実と解釈が混ざります。
ナナイで意味と構造を解くと、変えられない事実を残したまま、判断の幅を取り戻しやすくなります。
次に、何が起きたのかを事実として置きます。
なぜ自分はそう受け取ったのかを解きます。
そのうえで、別の説明が成立するかを確かめます。
社会人先生メソッド|日本語を使ってきた私たちには、すでに読む力がある
日本語を使う日常では、言われていない主語や目的語を文脈から補い、複数の意味からその場に合う意味を選び、相手との関係によって表現を調整しています。
社会人先生は、そこへ新しい特殊能力を足すのではありません。
人を読む力、場を読む力、伝え方を変える力など、すでに使っている力を見つけ、意識的に使い直し、自分メソッドとして育てます。
現場で見えてきたこと
報道記者時代、取材前に何十通りもの想定問答を考えたあと、いったん考えることを手放し、カエルや鳥の声、風、空間へ注意を開いてから相手と向き合っていました。
今振り返ると、十分に仕込み、手放し、相手や場へナリキル実践でした。
聞くだけで終わる必要もない
でも、相談には時間が限られていることもあります。
全部を聞き切るまで何も言えないわけではありません。
最初の一問で方向を合わせれば十分なことがあります。
ナナイは、都合よくポジティブに言い換える方法ではありません。
事実へ戻り、複数の説明を比べ、現実と照合できる範囲だけを残します。
それでも、現実の見え方・理解・判断を増やすために使える範囲はあります。
一つの方法だけで現実のすべてを説明しないことが大切です. 確認できる事実、相手の反応、身体・状態・環境など、まだ変えてはいけない条件は残します。
答える前に置きたい一つの質問
答える前に『いま一番ほしいのは、整理・意見・具体策のどれに近い?』
と聞きます。
そこで初めて自分の知識を使います。
相手にナリキルとは、答えを捨てるのではなく、答えを渡す位置を合わせることです。
一度に全部を変えません。
まず一つだけ現実で試します。
そのあと、何が変わり、何が変わらなかったかを観測します。
合えば残し、合わなければ修正します。
次に似た現実へ出会ったとき、同じ答えを選ぶ必要はありません。
「何が起きたか、なぜそう受け取ったか、どう言い換えられるかを順に整理する」を使い、まず自分で現実を読み直します。
読む。
解く。
書き換える。
その結果を現実で確かめ、必要なら修正します。
現実を確かめたうえで、何を残し、何を変えるかは、最後に自分で決めます。
社会人先生の全体像を読む
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