失敗を引きずる|反応から判断へ戻るための社会人国語|最小行動から考える

失敗を引きずる|反応から判断へ戻るための社会人国語|最小行動から考える

ミスに気づいたあとの時間で、ひとつ気になることが残っています。
起きた事実より『自分はだめだ』という評価が長く残る。
反応したいわけではありません。
でも、そのまま動けば、いま見えている意味だけで現実を決めてしまうかもしれません。
ここで、いったん視座を動かします。

目次

まず、確認できる事実と自分の解釈を分ける

このとき、起きた事実より『自分はだめだ』という評価が長く残る。
ここで強く働いている前提を言葉にすると、『一つの失敗は、自分全体の能力を示す』になります。
この前提が常に間違っているわけではありません。
ただ、前提を前提だと気づかないまま使うと、別の選択肢が見えにくくなります。

たとえば、送信した資料に誤りが見つかると、修正連絡は数分でできるのに、その後も何時間も『なぜこんなことをしたのか』と考え続けることがあります。
修正すべき事実と、自分への評価が混ざっています。

相手にナリキル|深く入り、高く見る

国語ルート|読む → 解く → 書き換える
国語ルートは、言葉から視座を育てる体系です。
正式な流れは、「読む → 解く → 書き換える」です。
まず、目の前の事実と、自分が加えた解釈を分けます。
次に、なぜそう受け取ったのか、前提を言葉にします。
最後に、事実を変えるのではなく、次に選ぶ判断を書き換えます。

目の前の現実にある違和感、ズレ、思い込み、前提を読みます。
「それ、本当?

「なぜ、そう思った?

と問いを立てます。
答えを急がず、まだ読めていない別の意味がないかを見ます。

定義。
相手にナリキルとは、相手に同意することでも、自分の意見を消すことでもありません。
自分の解釈をいったん脇へ置き、その人には何が見えていて、どんな前提からその言葉や反応が出ているのかを仮置きする作業です。

深く入り、高く見る。
相手の世界へ深く入ったあとには、そこへ固定されず、離見の見で一段高く見ます。
自分だけ、相手だけの二択をやめ、二つの世界を同時に置くことで、反応ではなく判断として次の一手を選びやすくなります。

ナリキルは、対象へ深く入ることと、そこから離見の見で高く見ることを分けません。
深く入るから、相手や未来や場の内側が見えます。
同時に高く見るから、一つの立場へ固定されず、全体の関係まで戻れます。

社会人先生メソッド|すでに使っている力を見つける

日本の仕事や日常では、すでに『失敗したあとに原因と次の手順を分け、現場で修正する』という調整を無意識に使う場面があります。
社会人先生は、そこへ新しい特殊能力を足すのではありません。
すでに使っている力を見つけ、意識的に使い直し、自分メソッドとして育てます。

補助視点|最小行動
今回の補助視点は『最小行動』です。
大きな改善案ではなく、次の30秒からできる最小行動まで下ろします。
実行単位が小さいほど、方法が正しかったかを現実で早く確かめられます。
ミスに気づいたあとの時間という具体的な場面へ戻し、抽象論だけで終わらせません。

もう一つ、『場の目的』も重ねます。
自分と相手だけでなく、この場は何を前へ進めるためにあるのかを置き直します。
場の目的が主語になると、話す・聞く・待つ・確認するの選択肢が増えます。
全部を変えず、一か所だけ順番を変えて試します。
変えた場所が一つなら、結果が違ったときにも原因を読みやすくなります。
相手にナリキルを固定的な正解にせず、自分の現実で確かめます。

それでも、見方を変えれば何でも解決するわけではない

でも、見方を変えれば何でも解決するわけではありません。
期限、権限、安全、相手の明確な拒否、数字上の制約など、変えられない事実はあります。
理解することと、要求を全部受け入れることは別です。
相手の前提を読んだうえで、確認する、断る、待つ、距離を取るという判断も含まれます。
一つの方法だけで現実のすべてを説明しないことが大切です。

必要な一手を出すための行動

今日の一手。
紙を二つに分け、『いま直せること』『次回の予防』を一つずつ書く。
一度に全部を変えません。
まず一つだけ現実で試します。
そのあと、『修正行動をしたあと、問題の大きさが実際にどう変わったか』を観測します。
合えば残し、合わなければ修正します。
次に似た現実へ出会ったとき、同じ答えを選ぶ必要はありません。

読む。
解く。
書き換える。

まず自分で現実を読み直します。
その結果を現実で確かめ、必要なら修正します。
借りた方法を、そのまま信じるのではなく、自分の現実で育てます。
何を残し、何を変えるかは、最後に自分で決めます。


社会人先生の全体像を読む
この記事で扱った一つの見方を、「現実を動かす技術」全体の中で読みたい方はこちらへ。
公式note|現実を動かす技術

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