『今日中にお願いできますか』。
その一言を聞いた瞬間、自分の予定より先に相手の困った顔が浮かぶ。
できるかを確認する前に、引き受ける方向へ身体が動きそうになる。
事実は変えず、未来人としての意味・判断・行動を、つもかてストーリーで書き換えます。
仕事を断れないのは、なぜか
ここでは、助けるか断るかの二択に見えます。
でも本当に読むべきなのは、相手が必要としている結果と、自分が守る必要のある約束です。
『全部引き受ける』以外にも価値提供はあります。
まず、確認できる事実と、自分が加えている解釈を分けます。
感情や直感を否定するためではありません。
現実のどこまでが事実で、どこからが自分の読みなのかを確かめるためです。
仕事を断れないとき、つもかてストーリーで何を書き換えるか
国語ルート|つもかてストーリー(書き換える)|未来創造法
国語ルートは、言葉から視座を育てる体系です。
正式な流れは、「読む → 解く → 書き換える」です。
今回は、その中の「つもかてストーリー|書き換える|未来創造法」に絞ります。
つもかてストーリーは、国語ルートの「書き換える」を担う未来創造法です。
不十分な主人公、無謀な目標〈今のままでは届かないゴール〉、敵との葛藤を通して、現在の意味・判断・行動を書き換えます。
未来を想像して終わるのではありません。
未来人なら、この現実をどう読み、どう判断し、どう動くかを物語として描き、現在の判断と行動へ戻します。
現在の自分を、不十分さと可能性を持つ主人公として読みます。
今のままでは届かないゴールを置きます。
そこへ進むときに現れる敵や葛藤を読み、未来人としての意味・判断・行動へ書き換えます。
社会人先生メソッド|日本語を使ってきた私たちには、すでに読む力がある
日本語を使う日常では、言われていない主語や目的語を文脈から補い、複数の意味からその場に合う意味を選び、相手との関係によって表現を調整しています。
社会人先生は、そこへ新しい特殊能力を足すのではありません。
人を読む力、場を読む力、伝え方を変える力など、すでに使っている力を見つけ、意識的に使い直し、自分メソッドとして育てます。
現場で見えてきたこと
教師として人と向き合う中でも、知識を一方的に渡すだけでは届かない場面があります。
相手を読み、表情や言葉、関係、場を読み直すことで、伝え方そのものを変える必要が見えてきます。
相手を思いやることと全部引き受けることは違う
でも、関係性や役割によっては簡単に断れないこともあります。
その場合も、無条件に受けることと、条件を確認して受けることは別です。
書き換えるのは事実ではありません。
現実を材料に未来の物語の解像度を上げ、現在の意味・判断・行動を変えることが目的です。
それでも、現実の見え方・理解・判断を増やすために使える範囲はあります。
一つの方法だけで現実のすべてを説明しないことが大切です. 確認できる事実、相手の反応、身体・状態・環境など、まだ変えてはいけない条件は残します。
急な依頼へ返す一つの質問
返事の前に『いつまでに、どの状態まで必要ですか』を確認します。
そのうえで『今日はここまでならできます』『明日の午前ならできます』と範囲を返します。
断ることではなく、成立する条件を一緒に読む練習です。
一度に全部を変えません。
まず一つだけ現実で試します。
そのあと、何が変わり、何が変わらなかったかを観測します。
合えば残し、合わなければ修正します。
次に似た現実へ出会ったとき、同じ答えを選ぶ必要はありません。
「不十分な主人公、今のままでは届かないゴール、敵との葛藤を一つずつ置き、未来人としての判断と行動へ戻す」を使い、まず自分で現実を読み直します。
読む。
解く。
書き換える。
その結果を現実で確かめ、必要なら修正します。
現実を確かめたうえで、何を残し、何を変えるかは、最後に自分で決めます。
社会人先生の全体像を読む
この記事で扱った一つの見方を、社会人先生の「現実を動かす技術」全体の中で読みたい方は、こちらへ。

